★5 神ゲー ゲームレビュー

天穂のサクナヒメ レビュー 日本文化を詰め込んだ神話と稲作と食卓まで体験できるゲーム

ちゃんぬだるく

Twitchにてゲーム配信をしています。同じゲームをずっとやるよりか、いろんなゲームを一通りクリアしていくのが好きです。

個人的評価
クリア時間44.8時間 ※途中でやり込んだため本来は30時間程度でクリアできると思います。
プレイ時間44.8時間
発売日2020年11月12日
対応機種PS4
PS5
Switch
Steam
プレイ機種Steam
開発元Edelweiss
発売元XSEED Games, Marvelous USA, Inc.
個人的ジャンル純日本育成2Dアクションゲー


ゲームの特徴

本作は米は力だというのキャッチコピーがあるように、米を作りながら主人公が成長していくストーリー
「サクナヒメ」は、アクションと育成シミュレーションの要素が絶妙に組み合わさったゲームであり、日本の神話や農耕文化に触れながら、成長と冒険を体験できる作品
アクション要素のやりごたえや爽快感もありつつ、難易度が高いと感じたら、田んぼの管理をしっかり行い、質のいいお米を収穫できるとステタースが大幅にアップできるので、アクションが苦手でも救済措置がある。非常にバランスの取れた作品だ。

昨今のグラフィックの向上により、3Dで、よりリアルで派手な和風の作品がある中、本作は派手過ぎるデフォルメはされておらず、愛着の湧くアニメーションと共に古き良き日本の姿を忠実に表現している。食事をとれるのだが、季節による旬もあり、日本の四季を感じられる一面だ。ステージも季節による変化があり、その季節による梅や柿など特徴的なアイテムもある。

武器や衣類の作成や武技、枝魂のレベルアップとやり込みたくなる要素も満載なのだが、ストーリーに沿った世界観を彩るものであり、クリア前にやり込んでしまうことは必至だ。

おすすめポイントこんな人は苦手かも。。
  • 深堀したくなる稲作のリアルな体験
  • 斬る、避ける、吹っ飛ばす! 爽快感と俊敏さが魅力の2Dアクション
  • 世界観を彩る装備の数々とやり込みたくなるスキルアップの仕組み
  • 細かい農作業をやりたくない
  • 田んぼ管理のスケジュールに追われたくない


昔話に出てくるような古き良き世界観

ストーリーの大枠

日本神話をベースにした世界を舞台に、神々の力を持つ主人公「サクナ」が冒険する物語が展開される。
物語は、サクナが異世界へと飛ばされ、そこで普通の人間と共に生活し、未開の土地を開拓していくという内容。プレイヤーはサクナとなり、彼女が持っている稲の神力を駆使して、田畑の耕作を行いつつ、土地を開拓し、村を発展させる一方で、モンスターたちとの戦闘も必要。サクナはお米の質により力を得ていき、農具や羽衣を駆使し、様々な敵に立ち向かう。

この物語は、サクナが自身の運命に向き合い、成長していく姿を描いている。最初はなんだか頼りない普通の人の仲間達だが、知恵を絞りあいながらも困難に立ち向かい、仲間との絆を深めていく。物語は日本の神話とアニメーションが絶妙に融合し、とことん純和風な作りとなっている。

ちゃんぬ
豊穣神の母を 持つサクナと一般人。ストーリーやグラフィックは海外受けを狙ったようなデフォルメや設定はなく、純和風な雰囲気でこだわりを感じた

様々な要素から醸し出される古き良き日本の生活と風景

古代の日本を思わせる美しい世界で繰り広げられる冒険の物語
広大な自然に囲まれた島での冒険が繰り広げられるのだが、季節ごとに紅葉したり、雪が降ったりと、村やステージの風景が変わる。
入手できるアイテムについても、季節によって入手できるものとできないものが存在する。たとえば、梅や柿などだ。このような要素も、季節の移り変わりが感じられる作りとなっており、日本特有な四季を感じられる世界観だ。
食事で能力が上がる要素もあり、食事の際には旬というものが存在する。旬の物を食べるとバフの効果が大きいといった効果もあり、日本の食卓と季節の表現も巧妙だ。

ちゃんぬ
サクナヒメでの食事シーン、食事の内容や会話からも四季を感じられる。これぞ日本の古き良き文化!

詳しく調べられてはいないのだが、おそらく日本神話に出てくる神様も多数登場している。古くからあった日本特有の自然の中に神様が居て、神秘的な力や守りの力があることを、アニメーションと共に絶妙に表現されていると感じた。
サクナヒメの世界観は、美しい自然環境と人々の共生、神秘的な要素が織り交ざった魅力的な世界。
日本神話を背景に、四季折々の古き良き日本の風景や生活を堪能することできる。

個人的には東北に住んでいるので、冬が好きだった。サクナも「寒いのう。。」とか細かい四季ごとのセリフもあり、細かな四季の表現も良かったところ
ちゃんぬ

リアルな米作り体験と食事でのバフ効果

ガチでリアルな稲作パート

本作は、稲作が一番のテーマなのではないか?くらい、米作りの表現がとても豊富だ。まずは田植えを行い、適切な水やりや肥料の管理、除草などを行いながら稲を成長させる。細かいところまでこだわろうとすると、田んぼの水の高さや、肥料の配分を考えたり、年間を通してのスケジューリングまで考えるはめになる。
このような育成要素があるのだが、田んぼに入り、一つずつ苗を植え付ける作業だったり、成長した稲を収穫する際には、手で刈り取るアクションまで行わなければならない。このような細かな作業を通じて、リアルな農耕の感覚を味わうことができるのだが、収穫後からも細かな作業が操作と共に体験できる。
収穫した稲は、杵で突くことにより玄米~白米と精米具合まで調整できたり、次の年の種を選別する作業まで再現されている。

ちゃんぬ
田植えの場面だけど、だいぶ綺麗に植えられるようになった。前半は間が空きすぎたり、密集させすぎたりと意外と難しい

米は力だ!のキャッチフレーズがあるように、本作はお米の出来で「サクナ」のステタースに影響がある。能力がさがることは無いのだが、稲作パートで手を抜いてしまうと大きなレベルアップは望めなくなってしまう。
しかも、序盤の方では効率のいい稲作のヒントが少ないため正解が分からず、なんとなくお米を作る日々が続いていたのだが、周囲の探索を続けていくと農書という巻物が手に入り、稲作のヒントを得ることができた。上げたいステタースごとに、稲作の手順が違うため、この年は力を上げたいとか、来年は体力を上げようなど、数年単位でのスケジュールすら考えてしまう始末。まさに本格的な農業のようだった。
様々な稲作の要素や作業はあるものの、グラフィックの見た目や、指示のシンプルさと、時折つぶやく「サクナ」のセリフから次に何を行えばいいかは察することができる。面倒な稲作で必要な作業がある一方で、ゲームでありながら、本当に植物と向き合っているかのような体験もできる。非常に没入感の高い稲作パートだ。

田んぼの稲を確認すると「サクナ」がセリフでそれとなく次にやるべきことを教えてくれる。よくわからない場合は農書を確認してみると良いと思う。
ちゃんぬ

ちなみに、田右衛門という仲間に稲作を任せることもできるのだが、非常にお米の出来が悪いので二度と任せることは無かった。お米の出来次第では難易度は上がるものの、ストーリー進行に影響はないと思われる。アクションに自信があり稲作に興味の無い人は彼に任せられるものはやってもらうのもありだし、田んぼを放置してもいいという自由度があるとも言える。
逆に、敵との戦いに苦戦を強いられている場合は、稲作に集中してステタースUPしてから挑むという選択も取れるため、アクションが苦手でもしっかり稲作を頑張ればアクションの難易度は下げられるだろう。

ちゃんぬ
お米の出来で、ステタースがアップする独特なシステム。優先して上げたい能力がある場合、それに沿った稲作の手順があるが、それは農書を手に入れないとわからない。

多彩なメニューと旬を取り入れた食卓

「サクナヒメ」は、食事というユニークな要素がゲームプレイに深く組み込まれている。食材の収集、料理の調理、そして食事によるバフ効果の獲得というプロセスが、探索と戦闘を更に豊かで多彩な体験に昇華させている。
プレイヤーが島を探索し、最終や敵を倒すことでさまざまな食材を手に入れるのだが、季節によって手に入る食材が変わる。その食材を用いて、バラエティ豊かな料理を作れるのだが、食材の種類や組み合わせによって作れる料理が決まっていたり、食材が腐るというリアルな要素も含まれている。また、米を用いたメニューも存在するため、新米の時期にはお米関連の食事を取りたくなるだろう。

ちゃんぬ
ステージ上で草を斬ると食材が手に入ったりする。今回は春だったので梅が入手できた。

また、調味料の概念も非常におもしろく、持っている調味料によって作れる料理の幅が広がる。バフ効果も多彩で、特定のステージに対応した料理を作ることで、毒や火傷などの障害に対抗した料理を作ることも可能だが、それに合わせて材料を採集しておく必要もある。
食事のシステムは、主食、副菜、汁物、お菓子、飲み物などのカテゴリーから選択することができる。一度に複数の料理を食べることができるため、食事のメニュー選びからは戦略的な要素も含んでおり、プレイヤーにとって多くの選択肢の中で頭を悩ませる部分でもあるが、攻略の楽しみの一部でもある。

ちゃんぬ
作れる料理も多いが、組み合わせを考えると∞慣れてくると何となく決められるが、序盤は結構悩んで決めていた。日本の料理だが渋いものも多く面白かったところでもある。

さらに、「旬」という概念もゲームに導入されている。季節ごとにバフ効果が高まる料理が存在し、それも含めると相当な選択肢があるが、日本の古き良き食事を再現しており、ゲームの世界観を彩る一面だ。
そして、食事シーンでは、仲間たちとの会話が細かく描かれており、ゲームのなかでの日常生活の温かさや絆を感じることができる良いシーン。

全体として、「サクナヒメ」は食事という要素を通じて、ゲームプレイの多面性と古き良き日本の奥深さを見事に表現していると思った。

アクション性も抜群!天衣の舞と華麗な戦闘

2Dながら、やりごたえ抜群のアクション性

「サクナ」の武器は農具になるため、地味なのかと思いきや以外に素早い剣術やダイナミックな攻撃アクションを駆使する。戦闘でのエフェクトは和を感じさせられるものが多く、後半の技は派手でありながらもゲームの世界観を崩さないものだった。
瞬く間に切り裂く技や、連撃といった攻撃はもちろんある。日本の侍をおもわせるようなアクションも多彩で、爽快感がある。その他に敵を吹っ飛ばして敵集団をボーリングのように一掃したり、「はじき」という概念もあり、敵の攻撃にタイミングよく反応できれば怯ませることも可能。
エアアクションでの攻撃を行い、空中から敵を吹っ飛ばして叩きつけて一掃するといった事もできるので、ゲーム内での戦闘は素早い思考と反射が必要だ。非常にやりごたえがあるし上手く決まった時の爽快感もある。

サクナヒメの戦闘シーン。エアアクションでの斬撃や地面への叩きつけは個人的に爽快
ちゃんぬ

戦闘の重要な部分として武技の使用が挙げられる。しかし、これらの技は神気を消費し、そのゲージの管理が非常に重要である。確かに、武技の使用は戦闘を大いに有利に進めるが、無駄遣いしてしまうとゲージが尽き、肝心の瞬間に武技を発動できなくなってしまう可能性がある。他のゲームで例えるならば、スタミナゲージに近い概念であろう。

技については、4つまでセットできる。技の種類も多様で、自身の戦闘スタイルに合わせて設定する楽しさが存在する。私自身は、エアアクション中心の設定を採用し、空中での斬撃や地面への叩きつけを基本の戦術スタイルとしていた。

さらに、武技の熟練度という要素が存在し、特定の武技を使い続けることで、その武技の効果や範囲、神気消費量が改善される。これにより、初めはお気に入りでなかった武技も使ってレベルアップさせるというモチベーションが生まれ、意外にも全ての武技を均等に使用していたと思う。他の要素も影響力は強いが、この熟練度の要素も私のプレイ時間を増やす一因となった。

お気に入りではなかった武技も、攻撃の組み合わせによって強力なコンボを発見することが可能であり、後半の戦術に大きな影響を与えた。その結果、同じ戦闘スタイルで最後までプレイするというわけではなく、適宜戦闘スタイルを変化させる楽しさを見出してしまった。武技の種類とコンボの考察、そして熟練度による技の使用に対するモチベーション維持は、非常に素晴らしいゲームメカニズムであると感じる。

ちゃんぬ
武技は使用する度に熟練度が上がり、武技それぞれの特殊効果が追加されたりする。あまり使用していなかった武技もなんだか使いたくなってしまった。

お米の出来が悪かったり、収穫回数が少ないうちに難易度の高いステージへ行くとかなり苦戦を強いられるが、アクションゲームに慣れているとか腕に自信のある方でも、細かい反応が必要な「はじき」や、吹っ飛ばしによる戦略などがあったり、神気を使った技の使用や、コンボの組み合わせの考察などを考えると、かなりやりごたえのある難易度の高いものになるだろう。
先程も紹介したが、食事でバフがかかるという要素もあるため、難易度が高いと感じたステージについては食事の効果でなんとか乗り切ることもできる。ちなみに、夕食を取った後に朝まで休むことができるのだが、そのまま夜に探索をすることも可能。その場合、周りの視界がわるく戦いずらくなっており、敵も日中よりも強力になっている。腕に自信があれば夜に活動するとアクションのやりごたえは抜群だ。夜だとレアなアイテムが入手しやすく、技の熟練度も上がるといった事もあるので、ゲームオーバーを連続しない限りゲームの進みも早いと思う。

ちゃんぬ
夜の戦闘は視界が悪く、敵も強くなっている。後で手に入る消費アイテムの油で照らすことは可能。夜に入手しやすいレアアイテムは田んぼの肥料としても有用だった。

羽衣の華麗な舞とパルクール

羽衣という特殊な道具が使用可能であのだが、これはフックショットのような役割を果たし、壁に引っ掛けて飛び移ることができる。ステージ上にはジャンプだけでは到達できない場所が数多く存在し、そこには羽衣を使って登ったり飛んだりしながら探索を進める。地面に着地するまで羽衣は2回使用可能であり、壁に引っ掛けた後に再度ジャンプし、さらに羽衣を使うといった操作も行える。初めは操作がおぼつかなかったが、それだけに目的の場所に上手く着地したときの達成感は大きかった。

羽衣で崖を登っている場面。初めは難しかったが慣れると体感的にサクサク使えた。
ちゃんぬ

羽衣は戦闘でも頻繁に利用される。敵に当てて飛んだり、回避行動に使用したりすることが基本であるが、この要素があることで、戦闘中の「サクナ」は機敏に飛び回る。敵の背後に飛び移る回避行動も可能であり、空中へ飛んで敵を地面に叩きつけるといった戦術も展開できる。先に述べた武技と組み合わせることで、戦闘の幅が大いに広がる

さらに、羽衣には羽衣技というものが4つまでセットできる。武技のように熟練度は存在しないが、敵に突撃したり、後方に吹き飛ばしたり、敵をひっくり返したり、弱らせたりと、多彩な行動が可能である。羽衣で敵を掴んでいる間に操作し、技を発動するのだが、敵が弱っていたり倒れているときにしか発動できない羽衣技も存在する。力技で敵の体制を崩し、羽衣技を繰り出すこともできるし、「はじき」で敵を怯ませてから羽衣技を発動するといった高度なアクションも可能である。羽衣技を見事に決めることを考えると、アクションに深みが増す。私自身は、敵に激突して吹き飛ばしたり、堅牢な敵に対しては弱化させる羽衣技を用いていた。

ちゃんぬ
羽衣技を使用している場面。怯ませたりひっくり返した後に羽衣で掴んで発動させるという、やや難しい操作は必要だったけど、固い敵への効果は抜群だったので、よく使ってました。

多彩な武器や衣装のクラフト、そして枝魂のアタッチメントによる戦略

武器や衣類の作成が可能であるのだが、材料を集め、新しいものを作るという流れが主であるため、アイテムを購入するといった要素は存在しない。そのため、ゲーム全体がクラフトの要素が強いと感じられる。各ステージで手に入る材料が分かるため、必要な装備を作るために探索を行う場面も多い。
武器については、弱攻撃で使用する鎌と強攻撃で使用する鍬の2種類を作成できる。衣類は、服と笠を制作できる。さらに、面を装備することも可能で、それはステージ上で見つけることができる。

ちゃんぬ
装備の作成には素材が必要。衣装の名前がすごく和を感じるところが個人的によかった部分です。

ストーリーが進行するにつれて、作成できる武器や衣類の種類は増えていく。そして、これらの武器や衣類には、固有の「枝魂」というものが付いており、その特徴的なバフ効果が多彩だ。衣類については、水に触れていると有利に働くものや、季節によって身に着けていると有利になるものまで存在する。武器については、特定の敵に有利だったり、採集の際に効率が上がるものだったり、戦闘以外での使い道も出てくる。食事の効果が上がるものまである。
また、「枝魂」はそれ単体で入手することも可能で、武器や衣類の空きスロットに装着できる。この要素があるため、武器や衣類に元々ついている枝魂と後付けで取り付ける枝魂との組み合わせによる戦略が生まれる。武技や羽衣技の効果を上昇させるものもあるため、自分なりのスタイルに合わせたものや、ステージを有利に進める組み合わせを考える要素も十分に存在する。

ちゃんぬ
武器や衣装の空きスロットに枝魂を装着中。季節ごとにバフがかかるものや、敵を倒すとHPが回復するもや、その他様々な効果を付けられる。

枝魂については、単体でもレベルアップが可能である。その枝魂が付いた武器で特定の敵を倒したり、特定の材料を使ってレベルアップしたりと、条件は多彩である。この要素があるため、メインストーリーを忘れて探索を行いまくる時期もあった。そのくらい、この枝魂のレベルを上げるモチベーションは強い。戦闘での爽快感による楽しさもあるが、武技の熟練度と、装備を余すことなく作成したり、枝魂のレベルをすべてMAXにしたいという穴埋め要素的な物もアイコンで分かりやすく達成感があり、ストーリークリア前にも関わらず、やり込んでしまった。

感想まとめ

「サクナヒメ」は、日本神話に根差した壮大な物語と、アクション、稲作、クラフトなど多様なゲームプレイを織り交ぜた独特な作品。その中でも稲作は特に注目すべき要素で、面倒な操作はあるものの、そのリアルさと没入感は、まさに本格的な農業体験と言えると思う。それぞれの稲作作業のこだわり具合は、「サクナ」の成長と直結しており、ゲームの中で真剣に稲作に取り組むことで、攻略が楽になる仕組みは素晴らしかった。
数年お米を作り体験をすると、季節ごとに自分なりの稲作ルーティーンが出来上がってしまい、私はゲーム上でガチの米農家となっていた。

戦闘についても、羽衣を使った俊敏な動きや爽快な武技アクション、枝魂のカスタマイズを含めるとかなりの組み合わせがある。自分好みの戦略性を追求できるシステムが整っており、探索を通じて得た四季折々のアイテムを使って特徴のある武器や衣類を作り出す楽しみは、ゲームの醍醐味の一つ。
武技や枝魂については、レベルアップが可能。アイコンもわかりやすいこともあり、穴を埋めるかのようにやり込んでしまうのは必至だ。

しかし、「サクナヒメ」の魅力は、これら各要素が単独で楽しいだけでなく、全てが日本神話の世界観を盛り立て、感動的な物語を描いている。

全体を通して、「サクナヒメ」はその深遠な世界観と多様なゲームプレイで、長時間遊べる作品だ。このゲームをプレイすることは、ただ遊ぶだけでなく、その世界に深く没入し、自分だけの稲作や装備のカスタマイズ、はたまた食事など、戦略を練り、全てを極めるという体験を得られる。未プレイの方には、ぜひこの「サクナヒメ」特有の世界観と深みを体験していただきたいと思う。

-★5 神ゲー, ゲームレビュー